DOVIZIOSO 4

ドヴィジオーゾとSUOMYの軌跡を辿るお話。

DUCATI3年目となった2015年。強力なライダー、イアンノーネがチームメイトとして加わります。

ダブルアンドレア体制で、しかも同じヘルメットで、飛躍の年となる。はずでした。(イアンノーネはKYTロゴ)

ドヴィジオーゾは開幕から3戦連続2位。ランキングもロッシに次ぐ2位につけており、これまでと違う、強いドヴィジオーゾに期待が高まりました。

転機となったのは、母国仕様のスペシャルヘルメットで挑んだ、第6戦イタリアグランプリ。

母国仕様のスペシャルヘルメットは、ドヴィジオーゾ・ムジェロとして限定販売されました。

実はクラブ大好きなドヴィジオーゾ。アナログレコードやミキサーをデザインに取り入れ、別名DJ DOVIとも呼ばれました。

ドヴィジオーゾに対してライバル意識むき出しのイアンノーネは、ドヴィと同じ仕様ならば自分の方が速く走ってみせると豪語し、母国グランプリでの気合十分。セッティングもドヴィジオーゾのをコピーします。

実際に速く走り、イアンノーネはポールポジション。ドヴィジオーゾは3位。

決勝はイアンノーネ2位、ドヴィジオーゾはスプロケトラブルでリタイア。

このレースで、ダブルアンドレアは時速350キロに到達し、SR-SPORTは高速域での安定性も高いことを証明しました。

続くカタルーニャは転倒リタイア、オランダは12位、ドイツも転倒。と中盤戦に失速。

イアンノーネは着実に上位フィニッシュし、ランキングもドヴィジオーゾを上回り、豪語した通りになってしまいました。

後半戦も表彰台に上がりますが、イアンノーネとの差を詰めるまではいかず、ランキング7位。実践開発も担う立場だったとはいえ、これは屈辱。

DUCATIが表彰台に上がる機会も増え、チャンピオン争いも事件があり、大変盛り上がった2015シーズンでしたが、ドヴィジオーゾにとっては最低に近いシーズン評価だったのではないでしょうか。

そして、このシーズンの成績とイアンノーネの速さが元で、2020年限りでDUCATI離脱の布石とも思われる事態に発展します。

DUCATIとドヴィジオーゾの契約は2016年限りという。実際にはさらに事件が起こり、ちょっと信じ難い扱いにも耐えたため、そうはなりませんでしたが。

ではまた、次回に続きます。

SUOMY HELMETS JAPAN

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