DOVIZIOSO 5

ドヴィジオーゾとSUOMYの軌跡を辿るお話。

2016シーズンは波乱、激動と言っていいと思います。

開幕戦こそ2位で幸先良いスタートでしたが、実はドヴィジオーゾはDUCATI離脱路線で進んでいました。

王者ロレンソのDUCATI移籍と、速さと若さが売りのイアンノーネの残留が水面下で進んでいたからです。

第2戦アルゼンチンでは、2位ドヴィジオーゾ、3位イアンノーネの順で走行中、最終ラップ。あとコーナー2つというところで、イアンノーネがドヴィジオーゾを巻き込んで転倒。

ドヴィジオーゾはバイクを押してゴール、イアンノーネはリタイアを選択しました。

第3戦アメリカでもドヴィジオーゾは他車に追突されリタイア。

次のスぺインではマシントラブル、その次のフランスではマルケスと同時に不可解な転倒。

地元イタリアではスペシャルヘルメットで挑むも5位。前半戦は散々でした。

そのスペシャルヘルメットはドヴィジオーゾ・スタリオン。

ドヴィジオーゾは映画ロッキーの大ファン。ロッキーと言えばイタリアンスタリオン。ドヴィジオーゾのヘルメットは白馬と黒馬。共通点がありすぎて見事にはまりました。

このデザインは本人もかなりお気に入りだったので、後のミサノでも使うことになります。

そして第10戦のオーストリアグランプリ。優勝の大本命だったドヴィジオーゾですが、なんと新生DUCATIの初優勝はイアンノーネ。ドヴィジオーゾは2位でした。

その後、不調が続き、15戦もてぎでは久々の表彰台。ここまでこの年のMotoGP勝者は8人。9人目となるのは絶対にドヴィジオーゾになると信じていました。

その舞台は第17戦マレーシア。ここはドヴィジオーゾにとってMotoGP初表彰台の地。

気合十分で得意のウェットコンディション。終始落ち着いた走りで見事優勝。

終盤にきてやっと成し遂げた優勝は感動モノでした。

ウェットコンディションで注意したいのはシールドの曇り止め。SUOMYのシールドは1998年のGUNWINDの時代から、日本企業による曇り止めが施されています。その効果はスノー業界からも絶賛されていました。
ドヴィジオーゾがマレーシアで使ったのは、スタンダードなシールドにモールパッキンを取り付けただけ。

最後まで安定した性能を発揮し、勝利に貢献しました。

(現在はその曇り止めメーカーとのライセンス契約が終了し、製品は曇り止め無しが増えてきております。)

話は戻って契約問題。ドヴィジオーゾがDUCATIに残った事情。

アルゼンチンでの事故とその後に取った行動。

ロレンソ獲得によるサラリーの減額にイアンノーネが応じなかった。

ロレンソがドヴィジオーゾの力がDUCATIに必要だと説いた。

ドヴィジオーゾがサラリー減額に応じた。噂ではロレンソの10分の1強。

色んな事件が起こった2016シーズンでしたが、その色んなことがきっかけで、ベストシーズンともいえる2017年に繋がるのでした。

ではまた、次回に続きます。

SUOMY HELMETS JAPAN

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