DOVIZIOSO11
ドヴィジオーゾとSUOMYの軌跡を辿るお話。
2017年第15戦もてぎ・ジャパン。シリーズチャンピオンの望みは僅かになりましたが、ドヴィジオーゾは挑みます。
もてぎはフリー走行からずっと雨。今季2回目となるダウンフォースバージョンのカウルで、早めに良いペースが掴めたようで、予選2へはダイレクト進出。
予選では特に雨に強いライダーが、好タイムを出し、ドヴィジオーゾは3列目9位。
タイヤマネージメントに優れたドヴィジオーゾにとって3列目は、勝負ができる範囲と言えるでしょう。
決勝も雨。ドヴィジオーゾは1周目5位、2周目4位、と今までの勝ちパターンでレースを進めます。
そして計算通り、ラスト10周の14周目にトップマルケスの後ろにつけます。
その後2人でペースアップし、19周目にトップ浮上し、ラスト5周のスパートが始まります。
が、22周目にミスでタイヤを滑らせて、マルケスに抜かれてしまい、更には1秒の差をつけられてしまします。
これはちょっと追いつけないかと思っていたラストラップに、今度はマルケスがタイヤを滑らせてしまい、ドヴィジオーゾが追いつきます。
その勢いをもって、バックストレートでマルケスをパス。最終コーナー入り口で一旦前に出られるも、立ち上がりで抜き返し、ドヴィジオーゾは見事5勝目。チャンピオンの可能性を自力で引き戻しました。
実はラストラップの攻防はドヴィジオーゾの緻密な計算がありました。
バックストレートで抜く、次の90度コーナーで抑える。というところまでは見たままなんですが、ドヴィジオーゾは最終コーナーでどうブロックしてもマルケスは絶対に抜いてくると予想します。
この瞬間に、最終コーナー立ち上がりでマルケスを失速させることを思いつきます。
マルケスはセカンドアンダーブリッジを抜けた左コーナーはアウトから勢いをつけて、最終コーナー手前はインに入ってくるはず、だとしたら自分も少しアウトに寄って、マルケスには更にアウトを走ってもらう。そうすると最終コーナーの侵入は無理なライン取りになる。そして立ち上がりで楽に抜き返す。
この緻密な作戦を、あの大雨の中、90度コーナーを曲がった後の1秒程でまとめ上げて成功させるとは、MotoGPライダードヴィジオーゾの知能恐るべしです。
最後の最後まで落ち着いていられたのも、SR-SPORTのベンチレーション性能が良く、シールドのアンチフォグもよく効き、接戦でも周囲がよく見えていた、と営業トークも残しております。
2017年のベストレースとも言える、もてぎでした。
ではまた、次回に続きます。
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